これは富士山に信仰登山する人達に配る絵札や、富士山の登山用の着物に摺るための版木です。絵柄をみると富士山の頂上にはお付きを二人従えた富士山の女神が鎮座し、下には神の使いである猿が二匹、向いあって座っています。このような版木は富士山の御師という宗教者が管理していました。河口湖では北岸に河口という集落があり、江戸時代には百軒を超える御師がすみ、信仰を広め、登山する人々を泊める宿を営んでいました。この版木はそのうちの「中村筑前」という御師の家で所蔵していたものです。
会員登録がお済みのお方はログインをしてからコメントを投稿してください。