やまなし伝統工芸館

登録日:2010/05/11 10:48:30

ゲームに登場印伝ブーム(やまなし伝統工芸館)

カテゴリ   

2010年5月11日  読売新聞 より

ゲームに登場印伝ブーム

売り上げ5倍キャラクター商品も

コロプラと提携した甲州印伝のストラップなどの商品を前に、「コロカ」を持つ山本裕輔取締役

 甲府市の甲州印伝製造販売「印傳(いんでん)の山本」が、若者に人気の携帯電話ゲーム「コロプラ」の提携店になり、伝統工芸の印伝を組み合わせた 携帯ストラップやがま口財布などの関連商品を開発し、店頭売り上げを従来の5倍以上に伸ばしている。提携店で買い物をすると、ゲームの中でも同じ商品を買 える仕組みで、店にはゲーム愛好者が大勢訪れている。(豊田千秋)

 運営会社のコロプラは昨年6月から全国の老舗店と提携を始め、印傳の山本は同7月に提携店となった。コロプラの愛好者だった取締役の山本裕輔さん (27)が「購買年齢層が高い甲州印伝の商品に、若い人の注目も集まるはず」と申請した。全国の提携店は10日時点で55店あり、県内では1店だけだ。

 提携店で商品を買うと、購入金額に応じて「コロカ」と呼ばれるカードをもらえる。コロカに書かれた番号を入力すると、ゲーム内でも同じ商品が手に 入る仕組みで、現実と仮想空間を結びつけたことが人気を呼んでいる。提携店になった直後から、首都圏を中心に全国から20~30歳代の若い来店者が急増。 コロカは1000円分、2000円分、5000円分の3種類があるため、すべて手に入れようと高額の買い物をする客も多い。

 店内で客が自由に書き込めるノートに「(コロプラの)オリジナル柄があったらうれしい」と要望があったため、昨年11月にはコロプラのキャラク ターであるクマのぬいぐるみや星印を漆であしらった青色の携帯電話用ストラップを売り出した。デザインはコロプラ社に依頼して開発したもので、同月にいき なり334個を売り上げる大ヒット商品になった。

 今年2月には同じ柄のがま口財布、4月には定期入れを相次いで発売。3月の店頭売り上げは200万円を超え、コロプラ提携前の5倍以上となった。 大型連休中も店内はコロプラ愛好家でにぎわった。東京からバイクで来店した都職員の男性(36)は「ゲームにはまり、東京から気軽に行ける甲府でコロカが 欲しくて来ました」と、ストラップなど4点を購入し、コロカ8000円分を手にした。

 コロカは1枚客に渡すごとに2割の手数料をコロプラ社に払う仕組みだ。山本取締役は「県外百貨店の催事場で売ると出店手数料や出張費がかかる。コ ロカに手数料を払うだけなら、店頭のほうが収益につながる」と話す。今後は「くしの入れ物を甲州印伝でつくるなど、他県の提携店と商品を開発したい」と意 気込む。

 やまなし観光推進機構も「現実の旅行と仮想空間が結びついた興味深いゲーム」とみており、コロプラと連携して県内各地や提携店を巡るツアーの商品化を検討している。コロプラと連携した「コロ旅」は岩手県や岐阜県などで既に実施している。

コロプラ 正式名称は「コロニーな生活☆PLUS(プラス)」。携帯電話に搭載された全地球測位システム(GPS)機能を利用し、通勤や通学、旅行 などで実際に移動した距離に応じてゲームで使える仮想通貨「プラ」を入手。プラを元手に農場や貯水池などをつくり、人口を増やして街を発展させていく携帯 電話ゲーム。愛好家は110万人に上る。

2010年5月11日  読売新聞)