やまなし伝統工芸館

登録日:2010/03/25 11:38:11

やまなし伝統工芸館ニュース「大石紬で新たな着物を」

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やまなし伝統工芸館ニュース

山梨日日新聞社  ーみるじゃんー 2010年03月24日(水)より

「大石紬で新たな着物を」
都内の呉服店主が機織り見学

大石紬の機織り作業を見学する泉二弘明さん=富士河口湖・大石紬伝統工芸館
 

 都内の呉服店経営者で着物文化の継承活動をしている泉 二(もとじ)弘明(こうめい)さんが23日、富士河口湖・大石紬(つむぎ)伝統工芸館を訪れ、大石紬の生産現場を視察した。泉二さんは養蚕から機織りまで を一貫して行う産地の特徴を高く評価。「できるだけ早い時期に大石紬を使った着物の試作品を作ってみたい」と話した。
 ラジオ番組の出演を通して大石紬を知った泉二さんが関心を持って来県。同工芸館で機織りの様子や、座繰り製糸などの工程を行う作業場を見学し、完成した反物を手にとって品質を確認した。
 泉二さんは「国内で養蚕から織物まで一貫して行う産地は珍しい。色や織りの工夫があれば十分に商品価値を上げることができる」と指摘。「職人さんと話をしながら可能な時期に試作品を作り、品質を確認したい」と話した。
 大石紬は江戸時代から300年以上の歴史を誇る伝統産業。最近は機織り職人の減少や高齢化が課題になっていて、同工芸館が技術の継承などに取り組んでいる。
 泉二さんと話した職人の梶原みち子さん(82)は「作る側とすれば多くの人に買ってもらえるのは大きな喜びで、後継者の確保にもつながる。話をして新たな挑戦をしたいという気持ちになった」と笑顔で話していた。