■帝京大学やまなし伝統工芸館×山梨中銀金融資料館コラボ企画 |
■第19回夏休み小学生貴石画コンテスト |
■第18回夏休み小学生貴石画コンテスト |
■水晶彫刻若手作品展 |
■第17回夏休み小学生貴石画コンテスト |
■恵比寿大黒【1組】(エビスダイコク) |
■鳥【1対】 |
■皿【長楕円】 |
■皿【葉】 |
■ペーパーナイフ【2本】 |
■「甲州花火」が山梨県郷土伝統工芸品に認定されました |
■第18回貴石画コンテスト入賞作品 |
■臨時休館のおしらせ |
■第17回貴石画コンテスト入賞作品発表 |
■臨時休館について |
1.恵比寿大黒【1組】(エビスダイコク) |
2.やまなし伝統工芸館 |
3.ちいさなグリコのおまけ展(2) ~戦争と子どもたち~ |
4.8/25(土)体験工房は、羽黒自治会25名です。 |
5.ひょうたんの透かし彫りランプシェード展 |
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やまなし伝統工芸館ニュース朝日新聞社 asahi.com マイタウン山梨 12月24日(木)より 父の心「親子だるま」に2009年12月24日
■後を継ぎ ただ1軒 「親を越えて」と願う 腹に子どもを抱いた、真っ白いだるま。繭や綿の豊作と子孫繁栄の願いを込めて、こんな色と形をしている。親を乗り越え大きく育てと、子だ るまの顔にも立派なひげ。名前を「甲州親子だるま」という。郷土玩具の職人だった父の背中を見ながら育ち、後を継いだ斉藤岳南さん(66)が、ただ1軒、 作り続ける。(柏原愛) 甲府市池田2丁目の民芸工房「がくなん」。斉藤さんは二十歳の頃、父親の初代・斉藤岳南の元で、この道に入った。木型に紙を張り、乾燥させて白く塗る。目の周りは破れないよう、指で紙の繊維を伸ばして整える。面と模様を筆で描き入れるまで、すべて手作業だ。 今でこそ手だれの技で次々と仕上げていく斉藤さんも、最初はこうではなかった。技術も未熟だったが、何より心構えが「お手伝い感覚」。工房で作った郷土玩具を配達のついでに、趣味の釣りに出かけてしまうこともしばしばだった。 15年ほどたったある日。栃木県まで釣りに行った帰り道の土産物店で、僕ならどんな品をつくるかな、と考えている自分に気づいた。「仕事のことを考えながら遊べよ」。父の言葉の意味がわかった。「考えて、何かに気づけば、それを仕事に結びつけることができる」 その時を境に、河原の石の形から寝ている猫の姿を想像したり、小枝を千鳥に見立ててみたり、身近な自然の中から作品のアイデアを見つける工夫が始まった。「地に足がついた感じで、仕事がおもしろくなった」 江戸時代に起源があると伝わる甲州親子だるまは、1995年、県の郷土伝統工芸品に認定された。知らせを聞いた父は、これで師匠の名が後世に残る、と喜んだ。 2カ月後。仕事場で「飯に行くぞ」と立ち上がった父が、胸を押さえてその場に座り込んだ。そして夜、寝床でひっそりと息を引き取った。80歳だった。 生前の父親から直接教えてもらったのは、竹の描き方だけだった。「晴れた時は(笹(ささ)の葉が)張っている、雨の時はつぼめる、風の時 は流れている」と説明しながら新聞紙に筆で描いてみせ、「竹は縁起物だから、晴れた時のものを描くんだ」と言った。ほかのことは、並べた作業台で、見よう 見まねで学んだ。 けれど斉藤さんは、「おやじさんに教わったことは限りない」と振り返る。同業者には親切に教えてあげた父が、自分には手取足取りをしなかった。それは、自分で気づいて、自分でこの仕事を好きにならなければ始まらない、それを教えようとしていたんだと、今なら分かる。 師走も押し迫り、斉藤さんは来年の干支(え・と)の寅(とら)の土鈴づくりで忙しい。その傍らで、絵馬をつくったり箱詰めをしたりと手伝うのは、35歳になる長男だ。ちょうど、斉藤さんが「気づいた」あの時と、同じくらいの年齢になった。 |