やまなし伝統工芸館

登録日:2009/10/27 14:41:05

若田光一さん 和紙の里訪問  小中生らに体験談披露(やまなし伝統工芸館ニュース) 

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やまなし伝統工芸館ニュース

2009年10月24日(土)山梨日日新聞社-みるじゃん-より

宇宙の書 身延に「帰還」
若田光一さん 和紙の里訪問 
小中生らに体験談披露 

地元の小中学生らと交流する宇宙飛行士の若田光一さん
 
宇宙での体験談を披露する若田光一さん。右下は西嶋和紙に宇宙で書いた作品=いずれも身延・なかとみ和紙の里
 

 宇宙飛行士の若田光一さん(46)が23日、身延町西 嶋のなかとみ和紙の里を訪れ、国際宇宙ステーション滞在中に同町特産の西嶋和紙に「夢」「探求心」「思いやり」と書いた3枚の書道作品を町に贈呈した。会 場には地元の小中学生や住民約800人が集まり、若田さんは、宇宙ステーションでは書を書く時、筆から墨汁が落ちないことや、富士山に積もった雪の量で季 節の移ろいを感じていたエピソードを披露した。
 若田さんは、望月仁司町長に3枚の書と西嶋和紙の「飛行証明証」を手渡した後、宇宙での書道について紹介。「どんなにたくさんの墨汁を筆に含ませても、無重力なのでポトリと落ちない」と説明。「一筆書きをするには適した環境」と続け、会場の笑いを誘った。
 児童生徒から和紙への書き方を問われると、「和紙を船内の床にテープで張り付けて手すりにつかまりながら、毛筆で書を書き上げた」と答えた。
  一方、児童生徒からの「宇宙でも季節は感じられるか」との質問には「3月から7月にかけて富士山の雪が徐々に少なくなっていく様子が分かり、季節の移り変 わりを感じた」。一番印象に残ったことには、「貴重な水を再生する装置を初めて起動させ、仲間と3人で尿を浄化させて飲んだこと」を挙げた。
 書道作品に書いた三つの言葉に込めた思いも明かし、「言葉を思いながら毎日を過ごすと、新しい発見につながる。夢や目標を持って努力してほしい」と子どもたちにエールを送った。
 質問した静川小5年の秋山こころさん(11)と6年の深沢拓矢君(12)は「最高の思い出になった。自分も宇宙へ行ってみたい」と感激していた。
 若田さんは同日、県庁も訪れ、横内正明知事に宇宙ステーション滞在中、書道に取り組んだ時の様子を紹介。宇宙から見た富士山については「美しく、はっきり見えた。何度も写真を撮った」と語った。