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やまなし伝統工芸館ニュース
山梨日日新聞社ーみるじゃんー 2013年3月21日(木)より
甲州印伝作りに独学でチャレンジ
都留文大生有志失敗バネに財布「できた」
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自分たちでなめしたシカ革に漆で絵を描く都留文科大生=都留市十日市場
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学生たちが手作りした印伝の財布
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都留文科大の学生有志が、甲州印伝作りに挑戦した。独学で作り方を調べて、シカ皮をなめす作業から試行錯誤。漆で絵付けをして、がま口財布に仕上げた。
都留市内で農業体験などに取り組む学生5人が2011年12月、「山梨ならではの伝統工芸品を作ってみよう」と甲州印伝作りを計画。化学薬品などを使わ ず、できるだけ自然にある素材で作ることにした。都留市十日市場で養魚場を営み、自然学校のインストラクター経験を持つ柴崎利春さん(52)の協力を得て 取り組んできた。
昨冬は、シカ皮の毛がうまく抜けずに断念。「今度こそ完成させよう」と、昨年12月に柴崎さんのつてで北海道産エゾジ カの皮を入手。前回の反省から、今回はシカ皮を石灰水に1週間以上漬け込んで毛や肉をはいだ。3月18日には、シカ革を裁断してがま口を付け、赤と青の漆 で思い思いに絵を描いて財布に仕上げた。
大沢かおりさん(22)=4年=は「革が硬くなるという課題は残ったが、卒業前に形になってう れしい。実際に体験してみることで、課題や新たにやりたいことが見えてきて、いい記念になった」と笑顔。4月から道志村のNPO法人で働く香西恵さん (22)=4年=は、「実用にはほど遠い出来栄えだが、シカ革の風合いが感じられる小物ができて満足。来年は、猟をして捕ったシカの皮をはぐところから やってみたい」と意気込んでいた。
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