やまなし伝統工芸館

登録日:2012/06/05 10:33:07

笛吹の「魅力体験バス」 やまなし伝統工芸館ニュース

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やまなし伝統工芸館ニュース (観光スポット)

笛吹の「魅力体験バス」

朝日新聞社 マイタウン山梨 2012年06月04日より

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参加者の「ありがとう」の一言に笑顔で見送る、右から芝間海人さん、西村俊平さん、宮嶌健さん=笛吹市の石和源泉足湯ひろば

   ■大学生が案内人役

 笛吹市観光物産連盟が運行する「笛吹旬の魅力体験バス」の案内人を、山梨学院大現代ビジネス学部の3年生3人が務めている。授業で「石和温泉を山梨の玄関口に」と提案。「地域のために出来ること」として実践している。

   ◇山梨学院大3年の男子3人

 3日午前9時半、バスは同市芦川町のすずらん群生地に向け、石和源泉足湯ひろばを出発した。客は1組。リーダーの西村俊平さん(20)が マイクを握り「どちらから」。共に61歳の夫婦が「東京」と答えると、「昨日東京で遊び、今朝、帰りました」。石和まで自家用車で来たという夫妻は「だっ たら、一緒に乗せて来てあげたのに」。車内は笑いに包まれた。

 続いて芝間海人さん(20)がモモやブドウの畑を抜ける道中、おいしい食べ方や近くを通るリニア実験線を解説した。

 3人は昨年度、マーケティングが専門の伊東洋晃教授らが指導する「社会人基礎力育成講座」を受講した。100枚の名刺を渡され、教授らが 紹介する社長らに話を聞きに行く。西村さんらは温泉やワインを生かし、石和温泉を「山梨県の玄関口にしよう」というアイデアを持って、地元の旅館や市役所 を回った。

 昨年10月の中間報告では、受講する学生5組の中で2位。しかし今年1月、協力してくれた社長らを前にした報告では、最下位になってしまった。このままでは終われない。3人は市役所と話し合いを続け、「おもてなし案内人」になることにした。

 午前10時半には目的地のすずらん群生地に到着。その後は野菜の直売所などを回り、昼過ぎに約3時間の行程を終えた。

 西村さんと芝間さんが5月に2回、案内人を務めたコースは乗車時間が短く、事前に下見できるバラ園や和菓子店の案内だった。だが今回は距離が長く、マイクを握る時間も長い。「しゃべれなかった。土地のことをもっと知らないと」

 初めて組んだ運転手の佐野るり子さん(43)は「もう少し、途中の八代とか御坂のことをドライバーに聞いておくといい」とアドバイス。この日がデビューとなった宮嶌健さん(20)は山道で車酔い。「顔に出しちゃいけないと思った。しんどかった」

 西村さんと芝間さんは長野県、宮嶌さんは静岡県の出身。伊東教授は「地域の活性化に県外の若い視線は有効。学生も教員以外の大人と接して成長する」と話す。3人は7月中旬まで、サクランボ狩りとワイナリーを巡るバスに乗車する。

 「魅力体験バス」は施設などの入場料別で1千円、事前の申し込みが必要。問い合わせは日之出観光自動車(055・262・4771)へ。(渡辺嘉三)