やまなし伝統工芸館

登録日:2012/02/22 09:23:03

やまなし伝統工芸館ニュース(観光スポット)

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やまなし伝統工芸館ニュース(観光スポット)

2012年2月19日  読売新聞より

江戸時代のひな人形並ぶ

甲州、笛吹の文化財指定家屋

江戸時代に作られた首の長い「享保ひな」(笛吹市石和町八田の八田家書院で)

 3月の桃の節句を前に、県内各地でひな人形の飾りつけが始まっている。県内の文化財指定家屋では、200~300年前に作られ、大切に受け継がれてきたひな人形が並び、訪れた観光客らの目を和ませている。

 甲州市塩山上於曽の国指定重要文化財「甘草(かんぞう)屋敷(旧高野家住宅)」ではひな人形1000体、つるしびな2000体が飾り付けられてい る。特に目を引くのが、文化年間(1804年~18年)に作られたという「五楽人(ごかくにん)」。太鼓や笛を演奏するひな飾りの一種で、五人囃子(ごに んばやし)の原型となった。

江戸時代の文化年間に作られた「五楽人」(手前の下段)(甲州市塩山上於曽の甘草屋敷で)

 江戸から甲府に派遣された武士によって持ち込まれ、代々受け継がれてきた人形も展示。植毛技術がなかったため、髪はしっくいの肌に黒塗りされている。

 毎年訪れているという東京都八王子市の男性(73)は「華やかな人形を見ると心が明るくなる。娘の小さい頃が思い出される」と笑みを浮かべていた。

 笛吹市石和町八田の県指定文化財「八田家書院」では、7段飾りで6組が展示されている。最も古い「享保ひな」は江戸時代の享保年間(1716年~36年)に作られ、地元の有力者から同市に寄贈されたもの。顔と首が長く、高さも約50センチあるのが特徴だ。

 同市文化財課の有延悠さん(28)によると、「保存状態がよく、享保時代の特徴をよく表している貴重な人形」だという。

 ◆甘草屋敷◆ (電)0553・33・5910。4月18日まで。午前9時~午後4時半。期間中無休。入館料一般300円。6歳以上20歳未満200円。

 ◆八田家書院◆ (電)055・261・6111。4月9日まで。午前9時~午後4時。火曜休館。入館料一般200円。20歳未満100円。

(2012年2月19日  読売新聞)