今から約1,700年前、日本では有力者たちが権威を示す手段として墳墓を利用し、形や大きさもさまざまな「古墳」を作る文化が全国に広まりました。
山梨県内でも、東日本最大級の前方後円墳である甲斐銚子塚古墳や大丸山古墳といった大型古墳が築造されたほか、各地に多くの古墳が築かれた時代であり、その雄大な佇まいと豊富な副葬品の数々は今なお私たちの心を惹きつけてやみません。一方で、埋葬において最も重要な「棺」には多くの謎が残されていました。
近年、社会学や心理学、宗教学などのあらゆる方法を駆使することで、従来の研究で重要視されてきた政治的意味合いだけでなく、そこで行われた儀礼の内容や役割にまで踏み込めるようになってきました。特に棺の選び方、納め方、副葬品の配置、葬送儀礼のあり方など、棺を取り巻くさまざまな研究が、当時の社会や宗教、死生観などにせまる非常に魅力的な素材となっています。
本展では実物の棺はもちろん、国宝・藤ノ木古墳出土品を筆頭に、国の重要文化財を含む全国各地の貴重な品々を取りそろえ、古代に生きた人々の死生観・来世観の変遷をご覧いただきます。
また、会期中は特別展記念講演会をはじめ、様々な関連イベントを開催予定です。ぜひ、本展のご観覧と合わせてご参加ください。
皆様のご来館をお待ちしております。
会期:平成29年10月4日(水曜日)~11月23日(木曜日)休館日:毎週月曜日、ただし、10月9日、11月20日は開館します。
※「ひつぎのヒミツ~棺から読み解く古墳時代~」
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